2023年05月31日

日本の水産品を世界へ広げる
輸出を拡大し続けるため展示会へ出展。  

※RX Japan 新しいオフィスにお越しいただきました。

将来を見越して輸出先を増やしたい。2019年から継続的に「“日本の食品”輸出EXPO」(以下「食品輸出EXPO」)に参加している株式会社 千里の代表取締役の高岩 豊さんに、営業担当 斎藤 広顕(主催者)がお話を伺いました。

 

 

・豊洲で買い付けた水産品が、当日の夕方には香港に届く

−■斎藤:事業内容を教えてください。

−■高岩:2013年に会社を設立し、主に水産物を海外のサプライヤーに輸出しています。東京都の豊洲市場で買い付けた商品を迅速に輸出できる点が強みです。たとえば香港のお客様。輸出当日の夕方には新鮮な魚介類が届きます。翌日着の大阪よりも早く納品できる仕組みを構築しています。

 

−■斎藤:扱っている商品についてお聞かせください。

−■高岩:魚介類を中心に様々な生鮮品を扱っています。主力はウニとマグロです。特にウニの売上高は全体の1/3以上を占め、Instagram映えする花柄などの形に盛り付けた商品が人気です。生鮮以外の食材や和食の調理用の鍋や包丁も扱っているため、現地のお客様はワンストップで必要なものを調達できます。

 

 

−■斎藤:具体的な輸出国や地域について教えてください。

−■高岩:2013年に香港向けの輸出から始まりました。当時の売上高は約9億円でしたが、その後マカオ、台湾、シンガポール、カナダ、マレーシアと増え、2023年の売上高は36億円に達する見込みです。

 

−■斎藤:抱えていた課題について教えてください。

−■高岩:取引先を増やすことが必要でした。取引が急に終了するケースも多くあり、先を見越した新規開拓が必要でした。継続的に将来の取引先を求めていました。

 

 

・出展戦略を見直して「“日本の食品”輸出EXPO」に新たに参加

−■斎藤:展示会には継続して出展されていますね。

−■高岩:実は「食品輸出EXPO」の前に、他の食品関連の展示会に3年連続で出展していました。しかしその展示会の主な来場者は日本国内への流通を目的としていた為、新規の輸出先を獲得できませんでした。戦略を見直し、輸出に特化した「食品輸出EXPO」の参加を決めました。

 

−■斎藤:「食品輸出EXPO」への初出展は2019年ですね。

−■高岩:はい。当初から成果がありました。3日間の会期中はおよそ120件の商談予定がびっしり詰まっていました。休憩をとる間もなく次の商談に臨んだら「以前から取引したかった企業だった」といった嬉しいこともありましたね。

 

−■斎藤:商談にはマッチングシステムを利用されたのですね。

−■高岩:事前にお客様とスケジュールを組める点が効率的です。およそ20か国のお客様とお会いできました。マッチングシステムと連携しているバイヤーズガイドも集客につながりました。花柄に盛り付けたウニの画像に興味を持ったお客様から問い合わせをいただきました。


・お客様との接点が増え、売上も拡大

−■斎藤:出展の成果について具体的にお聞かせください。

−■高岩:弊社の商品を取り扱う現地のサプライヤーが増えました。特にコロナ禍のあとは日本の食品を輸入する現地の商社のみならず、個人のお客様との取引も増加しています。香港から参加したあるお客様の取引額は、当初1回あたり20万円でした。継続的に展示会でお会いし、現在では約500万円までに増えています。

 

−■斎藤:接点がポイントでしょうか。

−■高岩:そうですね。出展することでお客様との継続的な接点が増えました。海外需要の増加も追い風となり、ウニの売上は初出展の2019年当時は約2億円でしたが、2022年には10億円以上になりました。国内の商社を介した取引も増えています。

 

−■斎藤:取引が広がった国について教えてください。

−■高岩:ドバイやクウェートにも商社経由で輸出しています。輸出時の課題である「語学の壁」は商社を介して解決が図れると思います。今年は米国、タイ、ベトナムへの輸出に注力していきたいですね。

 

 

・今後の展望について教えてください。

−■斎藤:現在取り組んでいることはありますか。

−■高岩:現地のお客様がスマホから発注できるシステムを開発中です。たとえばアジ3尾の注文。大きさによって調理方法が異なることがあります。現地の板前さんと発注担当者の間で齟齬が無いように細かく発注できる仕様にしました。
さらに成田空港に隣接の市場で、仲卸の許可を得ました。千葉県の水産品を成田空港から迅速に輸出できるようにしたいですね。

 

−■斎藤:最後に改めて「食品輸出EXPO」出展する理由をお聞かせください。

−■高岩:輸出の実現には自社商品を知ってもらうことに加え、お客様との接点が必要です。魅力的な商品でも、いきなりの現地法人設立はリスクがあります。展示会への出展はマーケティング的にも有効な方法だと思います。継続的な出展が取引先を広げるポイントだと考えています。

<お話を伺った方>
株式会社千里 代表取締役 高岩 豊さん

<公式HP>
http://senri-japan.co.jp/


“日本の食品”輸出EXPOの出展にご興味がある方はこちら